2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ロカビリーブームの造り方(1)

第一回日劇ウエスタン・カーニバルは昭和33年(1958)2月8日に開催された。ロカビリーブームのピークを示す出来事として世相年表などには必ずのっている。なぜウエスタン・カーニバルの前に日劇が入るのかというと、ウエスタン・カーニバル自体は昭和28年(1953…

「添え物映画」伝説 〜鈴木清順と中平康(2)

広告(3)。昭和35年(1960)11月に封切られた「くたばれ愚連隊」から昭和37年(1962)12月の「俺に賭けた奴ら」まで、この時期には和田浩治主演ものが集中している。「くたばれ愚連隊」「東京騎士隊」の二作に併映作品の表示がないのは、共に益田喜頓主演の「刑事…

「添え物映画」伝説 〜鈴木清順と中平康(1)

清順は怪しい。それは彼の映画ばかりではなく、人としてもかなり怪しい。もしかしたら狐狸妖怪のたぐいかもしれない。最近の結婚報道をみてもさすがに「ツィゴイネルワイゼン」の監督だけあって、世間体などという俗人がこだわる分別ともはなから無縁なのだ…

挽歌〜ムード広告と久我美子に漂うムード

小説「挽歌」は昭和31年(1956)暮れに発売され、翌年にはベストセラーとなり最終的には72万部を売り上げた。昭和32年(1957)9月には久我美子主演、五所平之助監督で映画化されている。配給した松竹としては「君の名は」に継ぐ戦後二番目の興収をあげた大ヒット…

太陽族映画(その2)〜 大宅壮一と女太陽族映画

太陽族という言葉は大宅壮一による造語だということになっているらしい。斜陽族と同じで小説のタイトルに「族」を繋げただけのお手軽な造語で、キャッチーでひねりの効いた新語を生み出してきた大宅にしては、この太陽族という言葉はいかにも出来が悪い。大…